Sat, 8 March 2014
表題通り、デンマーク滞在中に世界一のレストランと称されるnomaに行きました。
噂によると1日10万件の予約が殺到した日もあったほどの人気っぷりで、
「nomaの予約がとれたからデンマークへ行く」と世界中の人に言わせ、
一時期は予約がとれても2年待ちだったというほどの、気の遠くなる話。
だけど「世界一ってなんだろう」と、純粋に興味があり、
デンマークに行く事があれば、絶対に行ってみたい。と、昔から思っていたレストランです。
まさか自分の人生でこんなにもすぐにデンマークへ行くことになるなんて…!
主人の大事な時期でしたが「感動することも大事なはず」ということで(勝手)
出発前から予約フォームを駆使して、プレスとメールを続けているなかで、
「明日の昼なら突然空いた」と連絡をもらった日が、まさかの練習オフ日だったので、
遠足前夜よりも興奮して眠れない、noma前夜を過ごしました。
(そもそも、個人的なやりとりに応じてくれる素晴らしさにもう感動)
全23皿、コースは1つだけ。
私は料理評論家でもないし、料理家でもないので、味が世界一っていうのは
きっとどこへ行っても判断できる気がしませんが、
正直、遠いデンマークの土地で「本当のおもてなし」を感じました。
せっかくなので書き残したいと思います。。ありがとうnoma.
ひとまず写真を見ていただきたい。
コケのディープフライ、ダチョウのタマゴみたいな入れ物を開けたら煙と共に飛び出す
うずらのタマゴの薫製。(中は半熟、抜群の塩加減)
デザートに出てくるポークスキンのフライのチョコレートコーティング、
お皿の真ん中にどんと置かれるネギ…ありんこまで食べられるんだから。
と、全部の写真は撮らなかったけど今アルバムを見返しても、
もはやデスクトップにしてしまいたいような感動が蘇る…。
蟻なんて書くと、びっくりするような料理がウリなのかと思われるかもしれないけど、
感動したのは「食材に対する単純なサプライズ」ではなく、その演出法。
なんだろう。こんなにも次の一皿が楽しみで、23皿の折り返し地点と気付いた時に
終わってしまう寂しさがこみ上げるフルコースなんて、これまで一度も食べた事がなかった。
そして、すべてデンマークの地元食材を使って、それをどんなふうに調理したのかを、
50人いるシェフが代わる代わるに自分の担当皿を運んできてくれて
すべてのストーリーをなんとも楽しそうに話してくれるということ。
更には、お任せスタイルで次々とグラスに注がれる料理に合う、いや合いすぎるワインたち。
私たちがそれを味わったその瞬間に、すべてのストーリーが完成される、ワクワク感。
レストランの客、というより、勝手に一体になれたような気がし続けていた。
カバーを開けると湯気がたつ、ハードなのにふわっふわの自家製パンに触れたとき、
美しすぎるお皿と盛りつけを見たとき、目を閉じたくなるほど香ばしい香りをかいだとき、
嬉しそうに話すシェフの声や他のお客さんのナイフ&フォークの音が聴こえてきたとき、
そして、すべてのものを一口味わったとき…
とにかく五感のすべてが満たされて、もはや心地よさの絶頂。
本当に楽しい3時間を過ごす事ができました。
そして、まだまだ出てくるnomaのすごいところ。
なんともクリエイティブなキッチンを全公開してくれるのです。
中へ入ると”Hi”と笑顔で応えてくれるのに、そんな手元を見ると細かすぎる職人技が炸裂。
いや、もうディズニーランドかと!全員がキャストでした。
もちろん、人に見えるのは結果だけなのかもしれませんが、
一流の仕事は裏側までもが人を感動させるんですね。
それに関わるひとや、それを作る現場が、こんなにも美しくそして「力」に溢れているところを見て、
とりあえず会社のデスクをいつもちゃんと綺麗にしよう…と改めて思いました。(小さい…)
最後に、もうひとつ感動したのは、「いらっしゃいませ」という声が聞こえて振り返ると
日本人のシェフがいたこと。
高橋さんはnomaで初めて正式に契約された日本人のシェフ。
2年ほど前、まだ東京でシェフをやっていたころ、彼もまた
「nomaの予約がとれたからデンマークへ」とこの地を訪れた1人で、
その時感動のあまり、そのままここで働きたいと強く希望し、英語も喋れない中で
研修を乗り越えた素晴らしいひと。
こんなところでも、頑張っている日本人に出会えるなんて、なんだかとっても嬉しく思いました。
今回は冬でしたが、春のnoma,夏のnoma,秋のnoma,四季に合わせたおもてなしを想像しただけで、
「また来たいな…」と心から思いました。
そんなふうに人を感動させるプロフェッショナルな仕事、本当のおもてなしから
明日への活力と自分なりの工夫を見出せたような気がします。
(周辺の絵本みたいな世界も素敵でした)
実は、nomaに行ったんだ。 への1件のコメント